アフリカはなぜ貧困なのか その6つの理由。【わかりやすくイラスト解説】

SDGsのターゲット達成マップをみると、「大きな課題あり」の国が多いのがアフリカです。
「貧困人口比率」「栄養不足の有病率」「妊産婦死亡率」「新生児死亡率」「新規HIV感染症」「出生時の平均余命」「幸福度」「識字率」「少なくとも基本的な飲料水サービスを利用している人口」「少なくとも基本的な衛生サービスを利用している人口」「電気を利用できる人口」「クリーンな燃料と調理技術を利用できる人口」「インターネット利用人口」などの地図が赤く塗られています。

アフリカは貧しく、医療体制が不足していて、衛生状態が悪く、エネルギーが不十分で、文字を読める人が少ないことが示されています。

これはいったいなぜなのでしょうか。

理由として次の6つが挙げられます。

それぞれ詳しくみていきましょう。

 

1 農村で暮らしている人が多い

アフリカでは多くの人々が農村で暮らしています。

世界の農村人口比率

2019年

資料:WorldBank

農村人口比率をデータでみる >>>

それぞれが自分の土地を持ちそこで自給自足の生活を送っています。
自給自足ですから、現金収入がありません。
現金での取引ができず、貧困ということになります。

また、農業は天候の影響を強くうけます。
アフリカは熱帯気候と砂漠気候の区分される地域が広く、雨が多過ぎたり少なすぎたり、また干ばつなどに襲われると生活が直撃されることになります。

2 人口爆発がすごい

アフリカでは人口が増え続けています。

アフリカ地域の人口増加率の推移

資料:UN World Population Prospects 2019

ヨーロッパ、アメリカ、日本などの先進国の人口増加率が減っていく一方で、アフリカの国々は高い率を維持しています。

また、一人の女性が産む子どもの数を表す合計特殊出生率も高いです。

合計特殊出生率上位10カ国

国名 country/area 地域
ギニアビサウ Guinea-Bissau africa-west 7.36 2000
ニジェール Niger africa-west 7.02 2004
ソマリア Somalia africa-east 6.67 2005
マリ Mali africa-west 6.57 2005
ブルンジ Burundi africa-east 6.38 2009
コンゴ民主共和国 Democratic Republic of the Congo africa-central 6.29 2005
ウガンダ Uganda africa-east 6.20 2010
ザンビア Zambia africa-east 6.16 2006
ブルキナファソ Burkina Faso africa-west 6.00 2009
モザンビーク Mozambique africa-east 5.92 2010

資料:UN

合計特殊出生率全部みる >>>

合計特殊出生率が高いうえに、近年では国際機関やNGOなどからの支援により医療環境が整い死亡率が低下していて、さらに人口が増えているのです。

人口が増えるとその分食糧が必要になります。

無理な生産を行うことで、農地は荒れて生産力がさらに落ちていくことになります。

こうして食糧が不足し飢餓状態となるのです。

3 三大感染症の危機

世界には長期にわたって流行し、多くの感染者・死者を出している三大感染症があります。
エイズ、マラリア、結核がそれです。
アフリカはこれらの感染症が蔓延しています。

アジア経済研究所の岸真由美さんのコラム「アフリカと感染症」(こちら>>>)によると、
・エイズを発症させるHIVウイルス感染者は世界で約3800万人(2019年)と推定されいて、その3分の2にあたる2500万人がアフリカ地域の人々。

・マラリアは、世界の死亡者の94%(2018年)がアフリカ地域の人々。

・結核に新規に感染した患者の26%(2015年)がアフリカの人々。

だということです。

支え手となっていた家族が亡くなると生活は困窮し、貧困状態になります。

4 強い産業がワンパターン

アフリカの産業は、工業製品の元になる原料を生産して工業国へ輸出する体制でなりたっています。
一次産品とよばれる、コーヒー、カカオなどの商品作物や原油、鉄鉱石などの鉱物資源です。

アフリカ各国のおもな輸出品目

アルジェリア アンゴラ
ウガンダ エスワティニ
エチオピア エリトリア
ガーナ カーボベルデ

アフリカ各国のおもな輸出品目全部見る↓

これらの商品は世界の状況に直接影響されるという特徴があります。
需要が多い時はたくさん売れ価格が高くなりますが、需要が少ない時は価格は下がるしかありません。
また、たくさん売れたとしても原料はもともと価格が安いので莫大な利益を得ることにはなりにくいのです。

また一方では生活に必要な工業製品は工業国から輸入しなければなりません。
自国で獲れない食糧も輸入しなければなりません。

輸入商品は高価格で輸出製品は低価格なので、輸入の比重が多くなりプラスマイナス赤字になりやすくなります。

産業基盤の弱さは貧困につながってきます。

5 紛争が起きている

アフリカの紛争国

アフリカでは紛争が多く勃発してきました。
国連が平和維持活動(PKO)を行った実績をみても、世界のなかでアフリカが突出しています。

アフリカの全ての国で紛争が起こっているわけではなく、また近年は多くありませんが、根本的に解決しているわけではなく、不安定な状況は続いています。

現在国連がPKO活動を行っている国は7カ国・地域あります。
中央アフリカ、コンゴ民主共和国、マリ、西サハラ、南スーダン、スーダン、(南北スーダンの境界地域)アビエイ地域です。

アフリカでのPKO活動

資料:UN

アフリカの紛争の特長

アフリカの紛争の特長は、内戦であるということです。
国と国が戦争するのではなく、国内での権力闘争が激化し紛争になるのです。

内戦が貧困を生む

内戦になると、国としてのシステムが機能しなくなります。
味方の正義と敵の正義が違いますので、犯罪を正しく罰することができず治安が悪くなります。
破壊活動により建物や水道・電気、病院などの生活に必要な設備が使えなくなります。
兵士は金品や食糧を手に入れるため、一般人の住居を襲い住民が暴力の犠牲になります。
こうして住民は平和な生活を続けることができず、貧困状態に追い込まれることになります。

6 豊富な資源の残念な開発

アフリカには、世界が注目する魅力があります。
資源や農地です。

アフリカの鉱物資源

資料:資源エネルギー庁「アフリカの鉱物資源の重要性と我が国の取組み」、ダイヤモンドはUSGS。資源は存在の見込みも含む

これらを求めて世界から企業が「お金をだしますので、一緒に開発しませんか」と持ち掛けてきます。

企業は、利益を求めて開発します。
利益は企業と、国の政府や一部関係者に配分され、その国の住民の生活の向上にはかかわりません。

開発が国をよくするどころか、国民の反感を買い、内戦など国の混乱につながる場合があります。

アフリカの農地

アフリカ大陸は広大ですが、農業ができる土地の2割しか開墾されておらず、まだまだ開拓の余地があります。
その土地は土地が不足している外国の注目を集めています。

外国企業がアフリカに参入しますが、潤うのは政府高官だけで住民の利益にならないばかりか、内戦のきっかけになるなど貧困問題の解決にならないケースがみられます。

アフリカは植民地時代の影響を引きずっている

アフリカの産業がワンパターンで、紛争が起きていて、豊富な資源がうまく活用されにくいのは共通した要因があります。
アフリカは以前ヨーロッパの強国に植民地支配されていたことです。

ヨーロッパ強国はアフリカを植民地として自国の利益のために利用してきました。

1960年頃にアフリカはヨーロッパ強国から独立しましたが、古くからの住民による統治や生活基盤は破壊されたままで、植民地時代に開拓された大規模で単一の農業が継続され、工業化が進まずにいたのです。