レッドデータブックとは IUCNレッドリスト
レッドデータブックは、絶滅、あるいは絶滅の危機にある野生生物をリストして、その分布や危機の要因、保全活動などについての調査をまとめた資料です。
日本版、地方自治体版などありますが、元祖はIUCN国際自然保護連合(International Union for Conservation of Nature and Natural Resources)が公表している「IUCNレッドリスト」です。
IUCNは、自然保護を目的として集まった世界の政府機関、研究機関、NGOから構成される団体です。
1966年に初めて公表されたIUCNレッドリストの表紙が赤色だったことから「レッドデータブック」とよばれるようになりました。
2021年現在、絶滅の危機に瀕している種が38,500以上存在しています。
種類別で危機に瀕している割合は下記のとおりです。
両生類:41%
哺乳類:26%
針葉樹:34%
鳥:14%
サメ・エイ:37%
サンゴ礁:33%
甲殻類 28%
IUCNレッドリスト(英語)はこちらから >>>
絶滅危惧種とは
ランク分け
IUCNレッドリストは、野生生物の生存状況を7ランクに分けていて、そのうちの「深刻な危機」から「危急」までの3ランクに分類されている種を絶滅危惧種とよびます。
IUCNレッドリストのランク
ランク | 英語略 | |
絶滅 | EX | |
野生絶滅 | EW | |
深刻な危機 | CR | |
危機 | EN | 絶滅危惧種 |
危急 | VU | |
準絶滅危惧 | NT | |
低懸念 | LC |
このランクは定期的に更新されていて入れ替わることもあります。
IUCNレッドリストの他にも絶滅危機の野生生物にかんするリストがあります。
日本版レッドリスト
環境省が作成している日本の野生生物の絶滅危険度を分類したリストです。
ランク分けは次の通りです。
資料:環境省
日本版レッドリスト2020年版PDFは >>こちらから
ワシントン条約
ワシントン条約は、動植物を輸出入する際の国際的な取り決めです。
正式には「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約 CITES:Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora」です。
絶滅のおそれのある動植物や、それらから作られたはく製、毛皮、象牙などの加工品も対象になっています。
ワシントン条約では、これらを3ランクに分類していて、研究目的だけはOK、輸出許可証が必要、原産地証明等が必要などと規制しています。
現状では必ずしも絶滅のおそれはないとしても、過剰に捕獲・利用されることがないように規制されるものです。