生物多様性とは
多くの種類の生物が、いろいろな場所で存在することです。
そして、それらの生物が利用し利用されながら生存のサイクルを保つことも含みます。
地球には哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類、魚類などの脊椎動物をはじめ、植物、菌などが環境に合わせて絶滅したり進化したり多様に変化しながら存在し続けています。
多様であることは、生物が生存し続けている証明ともいえます。
この多様性が今、減少しています。
環境に合わせて変化してきていた生物が変化しきれずに生存できなくなっているのです。
このページでは、実際どのくらい減少しているのか、それはなぜなのか、についてまとめます。
『生きている地球レポート』
『生きている地球レポート LPR:Living Planet Report』は、生物がどのくらい減少しているかについて報告しているレポートです。
世界で自然環境保護活動を行っている組織、WWF(World Wide Fund for Nature。世界自然保護基金)によるものです。
これによると、地球全体で、1970~2016年の間に、脊椎動物の個体群は平均68% 減少、特に淡水域では84%減少したということです。
ここで使用されている指標は生物多様性の豊かさを測る「生きている地球指数 LPII:Living Planet Index」です。
LPIの値は陸、淡水、海など自然の中で生きる脊椎動物(哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類、魚類)について1970年の4,392種、約20,811個体群を100とした時の年ごとの平均を測定したものです。
生きている地球指数 LPII
資料:WWF
生物多様性はなぜ減少しているのか
昨今は自然の変化を大きく上回る破壊が急速に進んでいて、人間の活動が要因であることが指摘されています。
要因は大きく8つあります。
乱獲
土地・海の人工的利用
地球温暖化
汚染、ゴミ
生態系の変化
侵略的外来種
開発
遺伝子組み換え作物
生物多様性が失われてなにが悪いのか
なぜ、生物多様性が失われてはいけないのでしょうか。
考え方の1つとして、高橋進著『生物多様性を問い直す』では「リベット抜きのアナロジー」が紹介されています。
リベットは鋲のことです。
飛行機の鋲が1つだけ外れてもすぐに大惨事にはならないが、それが2つ、3つ・・・と外れていくといつかある時飛行機はバラバラに分解されて、取り返しのつかない状態になる、という状況になぞらえて、自然界も1種、2種・・・と失われていくうちにいつか人間も滅びるだろう、と類推するものです。
そもそも、自然界を人間の都合で破壊してよいわけはありません。