SDGsでは熱帯林の破壊を止めることもゴールの1つにあります。
熱帯林は東南アジアや南米、アフリカの熱帯地方にある森林で、遠く離れたに場所の話のようにみえますが、熱帯林で行われている開発は実は生活に直結している身近な問題です。
熱帯林伐採
先進国の建築用の材木として伐採されたり、農場にするために焼き払われたりして減少しています。
木は伐採されてすぐに再生することはなく、荒れ地になります。
木が失われたことで、CO2が吸収されなくなり温暖化に影響を与えます。
また、そこに生息している野生動物たちにも居場所を失い、人間の居住区を襲ったり、消滅したりします。
マングローブ林の破壊
エビはスーパーで気軽に手に入るポピュラーな食材です。
このエビは養殖されることで安い価格が保たれています。
エビの養殖に適しているのがマングローブ林を下の池です。
マングローブは熱帯域の河口に生育している植物で、根が水中で網の目のように立体的に絡み合っていてプランクトンや貝類、小魚の棲み処になっています。
エビの養殖池を設置するには絶好の立地なのです。
エビの養殖池はマングローブ林を破壊して設けられ、エビの輸出が増えると、さらにマングローブ林の破壊が拡大していくことになります。
現在、世界で消費されているエビの大部分が東南アジアのマングローブ域で生産されていて、日本はエビの消費国第1位です。
パームオイル
パームオイルは、植物性の油です。
植物性油というと他に、菜種油、ゴマ油、オリーブオイル、コーン油などがあります(サラダ油はこれらを原料にして作られている油)。
植物性油は近年の健康ブームなどから人気が高まっていて、またパーム油は加工しやすい性質をもっていることがあり、多く消費量されるようになっています。
パーム油が使われている食品として、マーガリン、チョコレート、ポテトチップス、カップラーメン、フライドポテトの揚げ油などがあります。
日本の植物油供給量 2020年
資料:一般財団法人日本植物油協会HP
またパームオイルはCO2を排出する化石燃料に替わるバイオ燃料としても注目されるようになっています。
パームオイルの原料はアブラヤシの実で、アブラヤシは熱帯地方で生育する植物です。
アブラヤシの実
パームオイル量産のため、熱帯林が大規模なアブラヤシ農場に開発され、つぶされているのです。
コーヒー、カカオ
コーヒーやカカオもヤシの実と同様に熱帯で栽培される商品作物で、同様に熱帯林が破壊されています。