生物多様性減少の要因 1.乱獲
魚 人間が食べる魚を獲りすぎて、成長が追い付かず減少しています。
動物 サイの角など、高く売れる希少な動物の部位を手に入れるため動物が捕獲され減少しています。
国連食料農業機関(FAO)のデータによると、魚介類の持続可能性は1974年の90%から2017年には65.8%に低下しました。
持続可能な魚介類の割合(1974-2017年)
資料:FAO
生物多様性減少の要因 2.土地・海の人工的利用
人間の居住が安全で便利になるように、河に堰を設けたりダムを建設したり、堤防を作ったりすることで、生物の生息地がつぶされたり分断されたりします。
堰
荒川上流河川事務所HPより
生物多様性減少の要因 3.地球温暖化
海の温度が上昇すると魚の流れが変わってきたり、サンゴが死滅したりします。
山では気温が低い高所で生育する高山植物が生えなくなったりします。
暖かすぎたり山でドングリが獲れなくなったりでツキノワグマが冬眠せず、人里に出没するという情報もあります。
生物多様性減少の要因 4.汚染、ゴミ
土が廃水などで汚染されると、土の中の生物の生存が脅かされます。
また、海では、プラスチックゴミが大きな問題となっています。
プラスチックゴミは川から海へ放出され、ウミガメやクジラなどが食べて死に至ります。
プラスチックゴミは、海で太陽の紫外線にあたるうちに細かく砕かれてマイクロプラスチックという粒になります。
魚がこれを食べ、最終的に人間が食べる可能性もあります。
生物多様性減少の要因 5.生態系の変化
動植物は「食べて食べられる」という関係でバランスがとれています。
この一角が減少するとバランスが崩れることになります。
例えば、オオカミがいなくなったことでシカが増え農作物を荒らしたり、植物を食べて減少させたりということがあります。
また、ラッコが乱獲されることで、ラッコの餌のウニが増えてウニの餌の海藻が減って海藻を餌にする魚が減るということが起こります。
湯の丸高原のニホンジカ
上信越高原国立公園鹿沢インフォメーションセンターHPより
生物多様性減少の要因 6.侵略的外来種
外来種は外国から日本へ入ってきた動植物で、現在約2,000種存在しています。
外来種のなかには日本の生態系になじんで無害なものもありますが、一方で生態系を破壊して生物多様性を脅かす生物もあり、それを侵略的外来種といいます。
例えば魚のブラックバス(オオクチバス)やブルーギルが魚やヤゴを食べて日本の池の生態系を壊していることは有名です。
もともとの日本の種である在来種は外来種に生存競争で敗れ絶滅する可能性もあります。
ブラックバス
外来種が持ち込まれた経緯としては次のことがあげられます。
・ペットや観賞用 |
生物多様性減少の要因 7.開発
SDGsは「持続可能な開発」を実現させるための目標です。
開発を生物多様性との関係で考える時、キーポイントとなるのが熱帯林です。
熱帯林は熱帯地方にある森林です。
CO2を吸収し光合成をすることで動植物に必要なエネルギーをつくり、樹木を育て、微生物、昆虫、小動物、大型動物の食料や生息場所を提供し多様な生物の複雑な生態系を育んでいることから、生物多様性の宝庫ともいわれています。
この熱帯林が人間の開発によって浸食されています。
人間の開発で広く知られているのは次のようなものです。
熱帯林伐採
マングローブ林の破壊
パームオイル生産の増大
コーヒー、カカオ栽培
生物多様性減少の要因 8.遺伝子組み換え作物
農作物の開発には、先進企業の最先端技術が使われます。
その1つが遺伝子組み換え技術です。
遺伝子組み換え作物を作った最先端技術は、開発した企業の企業秘密になります。
作物の種子が自然に広域に広がってしまうと、その作物を独占することができなくなります。
ですので、企業は農作物が種を作らないように遺伝子を操作し、他企業が種を購入しなくてはならないようにします。
とはいえ、植物をすべて管理することは不可能で、遺伝子組み換え作物が増えていくと周りの植物とも交わっていくことになります。
これにより自然の生態系を破壊する恐れがあるのです。