貧困から奴隷へ
なぜ奴隷になるのか。
それはまず貧困状況があります。
貧困から奴隷へ組み込まれていくのには大きく2つのパターンがあります。
債務奴隷|借金のカタのパターン
貧困で借金をして返せなくなって奴隷となる場合です。
奴隷労働があることで、奴隷でない労働者の生活が苦しくなることがあります。奴隷労働によって作られた商品は人件費がかからないので、その分奴隷でない労働者の商品よりも安くなります。
これに対抗しようと価格競争におちいり、収入が減ることになります。
収入が減ると生活が苦しくなり、地主などから借金をするようになります。
その時「借金を返せなかった場合、働いて返す」と契約を結ばされます。
働く期間や仕事量などの具体的な取り決めはなく、返済できなかった時、奴隷となるわけです。
また、新しいカラーテレビ欲しさに代金の代わりに娘を引き渡すというケースもあります。
債務奴隷は本人、家族、子どもにまでおよびます。
契約奴隷|だましのパターン
良い条件の仕事があるからと契約して、現地に移動したら実際は奴隷仕事だったという場合。
例えば「牧場や森林で働き手を探している、定期的に給料がもらえる」などと好条件を提示されて実際行ってみると、炭焼きの仕事だった。
そして雇い主には「交通費やこれまでの食事代、家族に渡したお金が借金になっている」といわれ、銃をつきつけられて奴隷仕事をするはめになる。
また、若い女性が会社の事務やレストランでの仕事だといわれ、連れていかれたところは売春宿で、逃げようにも故郷からは遠い知らない場所で、暴力で支配される。
こういった犯罪行為は本来、警察によって取り締まられるべきですが、奴隷がまかりとおっている国・地域では警察は奴隷業者に賄賂をもらっているなど汚職にまみれていて、むしろ犯罪に協力しているのです。
現代奴隷制はなぜあるのか
現代の奴隷制と私たちの生活は間接的ながら大きく関係しています。
製品が輸出されたり、多国籍企業に組み込まれたりしています。
安い製品
奴隷が生産に関わっている製品は、世界に輸出されています。
そのもの単体でなくても、構成される部品がそうであったり、奴隷が作った原料を使って他の奴隷がまた別の製品を作るといったこともあります。
奴隷によって作られた商品は激安で、それを消費者は喜んで買っているのです。
グローバル経済と多国籍企業
先進国の巨大企業は安い労働力を求めて開発途上国に生産工場を設けます。
開発途上国が独裁国家であった場合、独裁者とその周辺が企業からの利益を独占します。
農民は目先の利益を得るために農地を売ってしまい、自活することができず奴隷へと追い込まれていくのです。